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快眠コラム

睡眠と認知症のこわ~い関係 前編

認知症の現状

 超高齢化社会の到来に伴い、認知症を患う人の数が2025年には700万人を超えるとの推計値が、厚生労働省から発表されています。これは65歳以上の高齢者のうち、5人に1人が認知症に罹患する計算となります。さらに、正常な状態から認知症への移行状態といえる軽度認知障害が、2012年時点で約400万人にのぼっています。軽度認知障害の人は何もせずに放 置すると5年以内に50%が認知症になることが分かっており、認知症に対する理解を深め、早期発見・治療に結びつけることが重要です。

認知症とは

 認知症とは、「一度発達した認知機能が後天的な障害によって持続的に低下し、日常生活や社会生活に支障を来すような状態」をいいます。
 しかし、日常生活や社会生活に支障を来すといっても、個人によってその支障程度が全く異なることがこの定義の問題点です。高度なレベルの仕事を要求される人では、軽度の認知機能低下であっても社会生活に支障を来すため認知症と診断されますが、退職して家庭生活を何とか営むことができれば、かなり認知機能が低下するまで認知症とは診断されない人もいます。
 脳内の病的変化は同じでも、その人の置かれている生活環境によって診断が変わることがあることが課題といえます。

睡眠の現状

 24時間社会の今、人々の生活スタイルは夜型化し、睡眠時間は確実に減少しています。2016年11月に発表された「平成27年国民健康・栄養調査」では、実に39.5%の人の睡眠時間が6時間未満でした。この報告で興味深いことは、睡眠時間が6時間未満の群では、6時間以上の群に比べて、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒を明らかに多く訴えていることです。
 短い睡眠時間でも日常生活に問題がなければよいですが、実際には睡眠不足によってもたらされる影響は、肥満、高血圧、糖尿病、脳血管疾患、心臓病等、精神疾患、認知機能低下など多岐にわたり、看過できるものではありません。

【参考資料】①宮崎総一郎:睡眠とは・睡眠からみた認知症診療ハンドブック・全日本病院出版会、東京、2016、pp2―7

宮崎 総一郎 先生

中部大学生命 健康科学研究所 特任教授
日本睡眠教育機構 理事長
宮崎 総一郎 先生

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