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快眠コラム

歯並びと睡眠の深~い関係

 歯並びと睡眠にはどのような関係があるのでしょうか。一見、無関係のように思えますが、実は深〜い関係があるのです。良い睡眠を取ることが出来ない睡眠障害には様々なものがありますが、いびきや睡眠時無呼吸などの睡眠呼吸障害と呼ばれているものは、原因として歯並びが関係していることがあります。
 歯並びが悪くなる原因の一つには、顎の大きさが関係していることが知られています。顎が小さいと歯の大きさとの間にアンバランスが生じ、歯並びが悪くなってしまうのです。顎が小さいことが原因で起きるいびきや睡眠時無呼吸の方には歯並びが悪い方が多く含まれています。逆に言うと、顎が小さくて歯並びが悪い方はいびきや睡眠時無呼吸になるリスクが高いということです。
 肥満が原因の睡眠時無呼吸が多いアメリカの研究者が日本に来た時、アメリカ人と比べて肥満の人がはるかに少ない日本人にも、同じように睡眠時無呼吸があるのはなぜだとびっくりしたと言うエピソードがあります。太っていなくても睡眠時無呼吸を発症するのが日本人の特徴なのです。その原因は顎が小さいことにあります。我々アジア人は白人よりも人種的に睡眠時無呼吸を発症しやすく、肥満指数が30以上の肥満者が全人口の約20%にも達する米国と、2~3%に過ぎない日本で有病率に大きな差がないと言われています。では何故、日本人は顎が小さいのでしょうか。それは日本人のルーツに関係しています。

 日本人は約2万年前に南方から移住して来た南方アジア人の特徴を有している縄文人と、弥生時代の始まり(約2300年前)に大陸から集団で移住してきた北方アジア人の特徴を有した渡来系弥生人に分類されることが、人類学の研究で明らかになっています。全体として日本人は北方アジア人の影響が強く、縄文系が20〜30%、弥生系70〜80%の割合で構成されていると言われています。日本人の多くを構成している弥生系の特徴の一つには、顎が小さいことが含まれていますので、これが日本人の特徴となっています。肥満にならないと睡眠時無呼吸を発症しない縄文系の日本人と、痩せていても発症する弥生系の二系統の日本人がいるということなのです。そして顎の小さな弥生系は歯並びが悪くなる可能性も高いということになります。

 

 現在、いびきや睡眠時無呼吸の治療には、持続的に圧力をかけた空気を送り、狭くなった気道を拡げるCPAP治療と、下顎を前方に移動させて気道を拡げるマウスピース治療が主流となっています。(図1)
 顎が小さいことが原因で発症する場合、もう一つの治療法として顎を拡大する歯科矯正治療もあり、将来の発症を予防したり、根治療法としての可能性も期待されています。
 鏡で上下の前歯の歯並びやかみ合わせを見た時に歯並びが悪かったり、下の前歯が上の前歯の裏にほとんど隠れている場合、いびきを指摘されているようでしたら、睡眠時無呼吸の検査をお勧めします

古畑升 先生

古畑歯科医院
古畑いびき睡眠呼吸障害研究所
院長 古畑升 先生

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