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検査方法 精密検査

確定診断(入院による精密検査)

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の確定診断は、終夜睡眠ポリソムノグラフィー検査(PSG)によって行われます。PSGは睡眠中の脳波、眼球やあごの筋肉の動き、心電図、鼻に入る空気の流れ、呼吸の状態、酸素飽和度など多くの項目をモニタリングできる検査装置です。

簡易PSGとの違いは、総睡眠時間が測定できる点です。総睡眠時間中の無呼吸と低呼吸の合計数がわかるため、1時間あたりのAHIを正確に測ることができます。その他にも検査データから睡眠の質や無呼吸の種類、そのほか睡眠を妨げる症状などを確認します。

睡眠の質とは

PSG検査で脳波や眼電図、筋電図などを調べることで、睡眠の質をみることができます。睡眠の質はノンレム睡眠の深さ(3段階)やレム睡眠(身体は眠っているが脳は起きている状態)の状態で判断します。
レム(REM:Repid Eye Movement)とは、睡眠中でも眼球がすばやく動いていて、身体は休んでいますが、脳が動いている状態です。睡眠には脳を休めるという重要な役割があります。レム睡眠が長いと疲れが取れず、睡眠の質が低下しているといえます。

確定診断(入院による精密検査)

SASの診察、治療を主に行っている医療機関には、ベッドなどを完備した専用の検査室があります。患者さんは仕事帰りなどに医療機関に行き、一泊します。就寝前に頭や顔、身体などの必要な部位にテープで電極を貼り付け、寝ている間の脳波や呼吸、眼球、筋肉の動きなどを細かく記録します。映像や音声を記録し、検査担当者が睡眠中の状況を常時監視する場合もあります。

患者さんはできるだけ普段通りに就寝できるように、リラックスして過ごすことを心がけましょう。頭や身体に多くの電極をつけるため、眠れないのではないかと感じる患者さんも少なくありません。しかし、痛みなどの不快感はなく、とくにSASの患者さんならば、普段の睡眠の質が低下していることが多く、就寝時間になればいつも通り眠れることがほとんどです。

この検査で、1時間あたりの無呼吸低呼吸の回数(AHI)を確認し、SASかどうかを診断します。

【AHIによるSASの重症度】
AHI重症度
5未満正常(SASではない)
5以上15未満軽症
15以上30未満中等症
30以上重症

自覚症状と検査結果で診断

PSG検査でAHIが5未満であれば、睡眠時の呼吸状態に問題はないと判断されます。5以上で日中の眠気などの自覚症状がある場合や、自覚症状はなくてもPSG検査でAHI15以上の場合はSASと診断されます。

SASは重症度の評価も重要となります。とくにAHIが5以上で高血圧のリスクが高くなり、30以上の場合では心臓や血管の病気、2型糖尿病を合併するリスクがあることがわかっています。