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快眠コラム

SAS予備軍の子どもたち

睡眠と病気

子どもの肥満はなぜいけない

昔にくらべ、太りぎみの子どもが増えているようです。「学校保健統計(文部科学省)」によると、調査がスタートした1977年にくらべ、今の子どもはおよそ2倍増で肥満傾向にあるとか。なかでも小学校高学年の男子の場合、10人に1人と高い割合で太っていることが示されています。

食生活の欧米化や、加工食品の普及といった生活環境の変化により、今の子どもの食べものは脂質が多く、カロリーも高めです。外で運動をしなくなり、家の中でゲームをしながら過ごすといった遊び方の変化も、肥満傾向に拍車をかけていると考えられます。

「ちょっとくらい太っている方が、愛嬌があっていい」という声も聞かれそうですが、子どもの肥満は、見ための問題だけでは済まされません。大人と同様に、不健康の代名詞でもあるメタボリック・シンドロームと診断される子どもたちが今、増えてきているのです。

SASがすこやかな成長のさまたげに

子どものメタボリック・シンドロームは原則として、次の①を満たした上で、②~④のうち2つ以上が該当すれば診断されます。
①腹囲の増加(中学生80cm以上、小学生75cm以上ないし腹囲÷身長が0.5以上)
②中性脂肪が120mg/dL以上(注)ないしHDLコレステロール40mg/dL未満
③収縮時血圧125mmHg以上ないし拡張期血圧70mmHg以上
④空腹時血糖100mg/dL以上

メタボリック・シンドロームと診断される子どものなかには、内臓脂肪を抱え、すでに高血圧や糖尿病などの生活習慣病をわずらっているケースもめずらしくありません。夜中にいびきをかいている場合には、子どもであってもSASであることが疑われます。

子どもの睡眠中の無呼吸は、注意力や集中力を低下させます。それにより昼間の眠気や疲れをまねき、学習面や体の成長に悪影響をおよぼしかねません。すこやかな大人へと成長していくためにも、「いずれやせる」と楽観視せず、今の生活習慣を見直していくことが必要です。