セルフチェック
気になる症状があればセルフチェックをしてみましょう。
「人生の3分の1は布団の中」とは、よく聞くフレーズです。そう言われると、睡眠時間を「なんだかもったいないなあ」などと感じる人もいるでしょう。
たしかに、眠らなくても平気という特殊な能力があれば、この競争社会において有利なことは多いことでしょう。他人が寝ている間に勉強をし、仕事をこなすことが出来ますし、「やりたいことがたくさんあるのに、時間がない」という人にとっては、願ったり叶ったりの人生が実現できるかもしれません。
でも、本当に眠らなかったら私たちはどうなるのでしょう。この答えを導きだすために行われた、ラットの断眠実験があります。強制的に眠らせない環境におかれたラットは、食べるエサの量は増えたものの、しだいにやせて毛づやが悪くなり、体温も下がって10~20日で免疫不全による細菌感染症で死んでしまったそうです。
では、人ではどうなのかが気になるところです。さすがに人で断眠実験を行うことはできませんが、人が眠らなかった最長記録としては、260時間(11日間)という記録が残されています。
これは1964年、当時17歳の高校生だったアメリカのランディ・ガードナーが樹立した記録で、彼はクリスマス休暇の自由研究と称して「不眠記録への挑戦」なるものを企てました。しかし断眠後2日目から怒りっぽくなり、しだいに集中力を欠いてTVを見るのも難しくなったうえ、4日目には妄想が出現、7日目には体が震え出して会話も困難になったそうです。
11日間も眠らなかったというのは大した記録ですが、やはり人は、眠らずにはいられないようです。進化の過程においても、私たちの行動から睡眠が消えることはありませんでした。やはり人にとって眠りとは、生きていく上できわめて重要な生理機能であると言えるでしょう。