セルフチェック
気になる症状があればセルフチェックをしてみましょう。
持続陽圧呼吸療法(CPAP)は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)治療の柱といえる治療法です。鼻に装着したマスクから送り込んだ空気の圧で空気の通り道を確保する治療です。患者さんに適した空気圧を設定することで、睡眠中に気道塞がれるのを防ぎ、呼吸がスムーズにできるようになります。
CPAP治療を開始する前に、一晩医療機関に入院し、鼻につけるマスクの調整や患者さんの状態に合わせた空気圧の調整などを行うのが一般的です。
CPAP治療を行うことで睡眠中の無呼吸やいびきが軽減し、しっかりと眠れるようになるため、昼間の眠気や疲労感などの症状が改善します。マスクを装着して寝ることに違和感がある人もいますが、毎日装着しているうちに多くの患者さんが慣れていきます。不安なことがあれば医師に相談しましょう。
CPAP治療は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状を改善するだけでなく、リスクを高める生活習慣病のコントロール、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気に直結する動脈硬化の進行の予防などにも役立つことがわかっています。
CPAP治療によって睡眠の質が向上すれば、睡眠時無呼吸症候群(SAS)に伴う強い疲労感や日中の眠気、集中力や注意力の低下が改善または軽減します。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)患者さんの夜間の大きないびきは、同居する家族の睡眠を妨げることも見逃せません。治療によって家族の睡眠の質も改善することが期待できます。
また、車を運転しているときに強い眠気に襲われ、交通事故を起こしてしまうと、患者さん自身や同乗者、相手側の生命や身体機能に障害が及ぶ可能性もあります。二次的な被害を防ぐためにもCPAP治療の継続が重要となります。
CPAP治療は、睡眠中に気道が塞がるのを防ぐもので、無呼吸になりやすい状態を根本的に治す治療ではありません。CPAPを使用していないときはもとの状態であるため、毎日継続的に使用することが重要です。
マスクを正しく装着することは、CPAP治療を継続する上でとても大切です。マスク表面を顔に均等に当て、呼吸をして空気が漏れない程度に軽く顔にフィットするように装着します。床に入ってからからもう一度、位置を調整するのがコツです。
マスクを強く締めすぎると、睡眠中に空気の漏れを増やすばかりか、痛みによって長時間の装着がつらくなり、安眠が妨げられます。治療中断の要因にもなるため、マスクのフィッティングは適切に行いましょう。
CPAP治療で処方されている圧力は、患者さんに合わせて設定されます。治療を続けていくなかで、症状や体重の変化によってCPAPの圧を変更することもあります。もし、設定された空気圧で不快感があるなど、CPAP治療がつらくなったときは早めに医師に相談してください。